なでしこ「FileMaker Pro15」プラグインの使い方

プラグインのインストール

  • (準備) FileMakerを先にインストールしておいてください。
  • (1) FileMakerプラグインよりプラグインをダウンロードしてください。
  • (2) ダウンロードしたZIPファイルは圧縮されているので解凍します。
  • (3) 解凍したファイルの中にある「インストール.vbs」を実行します。

なお、暫定的に、FileMaker 16/17へプラグインをインストールする場合、FileMakerのインストールフォルダを選び直す必要が必要があります。この場合、以下のフォルダを正しく選択してください。

(参考)FileMaker 16/17のインストールフォルダ

# FileMaker Pro 16の場合
C:\Program Files (x86)\FileMaker\FileMaker Pro 16 Advanced

# FileMaker Pro 17の場合
C:\Program Files (x86)\FileMaker\FileMaker Pro 17 Advanced

プラグインで利用できる関数

プラグインを導入すると、FileMakerの計算式で以下の関数が利用できるようになります。主に利用できる関数は、以下の二つです。

関数 説明
nako( "プログラム" ) プログラムをFileMakerのプロセスで実行
vnako( "プログラム") プログラムを別のプロセスで実行

FileMakerのプロセス内で、なでしこのプログラムを実行するのが、nako()です。そして、FileMakerとは別のプロセスで、なでしこのプログラムを実行するのが、vnako()です。

使い分けですが、計算や文字列の整形処理など、短時間で終わる処理を記述するには、nako()関数を利用します。

そして、ファイルのダウンロードやアップロード、ファイルのコピーや、ユーザーにデータを入力してもらうなど、時間のかかる処理には、vnako()を利用します。

基本的に、vnako()関数は、なでしこのほとんどの命令を使うことができますが、nako()関数では、ネットワーク処理などが利用できないよう制限されています。

nako()関数では、プログラムの実行結果をFileMaker側に通知することができます。つまり、nako()関数の実行結果を、FileMakerのフィールドに流し込むことができます。また、なでしこのプログラムから、FileMakerのフィールドや変数の値を取得することができます。(参考:FileMakerプラグイン/FMデータ取得)

vnako()関数では、時間のかかる処理を実行できる代わりに、FileMaker側にプログラムの実行結果を直接返すことができません。しかし、FileMaker側のスクリプトを実行することはできます。(参考:FileMakerプラグイン/FILEMAKERスクリプト実行)

nako()とvnako()をうまく使い分けることが、プラグイン活用のキーとなります。

ちなみに、FileMakerの計算式では、改行を認識しない仕様になっているため、改行したい部分で「¶」を記述します。

簡単な挨拶を表示させてみよう

以下は、FileMakerに簡単な挨拶を表示させるチュートリアルです。

(1) ソリューションを作成

  • メニューより「ファイル>新規ソリューション」をクリックします。
  • 「テスト」という名前で保存します。

(2) レイアウトモードで作業しよう

  • メニューより「表示>レイアウトモード」をクリックします。
  • メニューより「挿入>フィールド」をクリックします。
  • フィールドの指定ダイアログが出るので右下にある「データベースの管理」をクリックします。
set-fiield.png

(3) データベースにフィールドを追加

フィールド名に「メッセージ」と入力して「作成」ボタンをクリックします。これで、データベースにメッセージというフィールドができました。そして、「OK」ボタンを押します。

データベースにフィールドを追加します
データベースにフィールドを追加します

(4) メッセージをレイアウト上に配置

メッセージフィールドを表示するテキストボックスをレイアウト上に配置します。先ほどのフィールドの指定ダイアログで「メッセージ」フィールドを選んで「OK」ボタンを押すと、レイアウト上にフィールドとラベルが配置されます。

mk-msg-field.png

(5) 実行するボタンを作成

ここで、なでしこのスクリプトを実行するボタンを作成してみましょう。

スクリプトを実行するボタンを作成
スクリプトを実行するボタンを作成

そして、ボタンのアクションを指定します。

  • (1) 画面右側のステップ一覧から「フィールド>フィールド設定」を選びます。
  • (2) ターゲットフィールドをクリックします。
  • (3) フィールドの一覧から「メッセージ」を選択します。
  • (4) 計算結果をクリックします。
ボタンのアクションを指定
ボタンのアクションを指定

(6) なでしこのスクリプトを指定

計算式の指定ダイアログが開いたら、以下のような、なでしこのスクリプトを記述します。

nako("「こんにちは」")

スクリプトを記述したら「OK」ボタンをクリックします。

(7) ブラウズモードに切り替えよう

  • メニューから「表示>ブラウズモード」をクリックします。
  • すると保存するか尋ねられるので、保存しましょう。
  • そして、先ほど作成した「実行」ボタンをクリックしてみてください。
  • すると、メッセージのフィールドに「こんにちは」と値が設定されるはずです。
実行したところ
実行したところ

改良してみましょう

上記の手順(6)で、nako("...")の部分を変更することで、任意のなでしこのスクリプトを記述できます。

例えば、計算式を指定する場合、次のように記述できます。

nako("(1+2)*3")

また、ある日程までのカウントダウンを行う時などには、以下のように指定できます。

nako("「2020/1/1」と今日の日数差")

その他のサンプルについて

ZIPファイルを解凍すると、その中に、sampleフォルダがあります。その中に、具体的なサンプルファイルが多数あるので、確認してみると良いでしょう。